武道からみたカーフキック
2020年大晦日に行われたRIZIN.26のメインイベント、朝倉海vs.堀口恭司の試合で一躍有名になったカーフキックを石部副道院長がブログで医学的解説をしています(http://blog.livedoor.jp/ishibe/)。今回は武道家からみたカーフキックを解説します。すでに多くの格闘家がカーフキックについて発言していますので、それらも参考にさせて頂きます。
朝倉、堀口両選手とも左手、左足が前にあるオーソドックスな構えです。朝倉選手はカウンターパンチを狙っている関係で、前足の左足に半分以上の体重を掛けています。かつ左足は内側に向いています。こうすると下腿真後ろにあるふくらはぎが前のほうに出てくるので、カーフキックを狙いやすくなります。堀口選手は朝倉選手の構え、重心を見てカーフキックを複数回行い、狙い通りの効果、朝倉選手の左下肢にダメージを与えたわけです。それでは、カーフキックへの対処法はあるのでしょうか?最近、堀口選手自身がYouTubeで防御法を語っているのですが、カーフキックがきたときに足を外側に向けることによって、ふくらはぎではなく、脛に相手の足を当てさせるそうです。こうすることで硬い骨でカーフキックを防げるので、むしろキックした側の足がダメージを受けるとのこと。この防御法はタイミングが重要ですから、熟練選手しか使えない方法です。
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